専2 オプトエレクトロニクス


  教科書: 「光エレクトロニクスの基礎」宮尾亘、平田仁(日本理工出版会)
  シラバス[pdf]
このページは、講義のメモを記しています。詳細は講義で説明します。
第1回 第2回 第3回  第4回 第5回
第6回 第7回 第8回  第9回 第10回
第11回 第12回 第13回  第14回
=== 第1回 H20.4.7 ===

1章 光とエレクトロニクス
光エレクトロニクスとは? optoelectronics

光電子工学:「電子工学(electronics)」と「光学(optics)」に及ぶ技術分野

光エレクトロニクスの発展
 1960年 レーザの出現
 1980年代 光ファイバ通信の実現
 1982年 CDの商品化

オプトエレクトロニクス
 1873年 セレンの光伝導効果
 1888年 外部光電(光電子放出)効果
エレクトロオプティクス
 1845年 ファラディ(磁気旋光)効果
 1875年 カー効果
量子エレクトロニクス
 1954年 メーザ(MASER):アンモニアビームメーザ(波長1.25cm)
 1960年 ルビーレーザ(694nm)

光エレクトロニクス:「量子エレクトロニクス」、「エレクトロオプティクス」、「オプトエレクトロニクス」に関連する光学、エレクトロニクス技術の総合

=== 第2回 H20.4.14 ===

光波
 周波数 f [Hz]、 波長 λ [m]、 光速度 C [m/s] の関係:f λ = C

 屈折率 Refractive index
 真空中の光速度を C0 、媒質中の光の速度を C とすると屈折率n
   n = C0 / C
 真空中の波長を λ0 、媒質中の波長を λ とすると
   λ = λ0 / n

光学
 幾何光学、波動光学、量子光学
 光学の歴史、電磁波のスペクトル  [pdf]

 Maxwell方程式
 Faradayの電磁誘導の法則
 Ampere-Maxwellの法則
マクスウェル・・・Maxwell方程式

 磁場におけるGaussの法則
 電場におけるGaussの法則
補助・・・補助方程式

媒質・・・媒質方程式

=== 第3回 H20.4.21 ===

 電磁波の存在  波動方程式  [pdf]

 光の粒子性  1887年 ヘルツ(Hertz):光電効果の発見
 1905年 アインシュタイン(Einstein):光量子(light quantum)
  光子1個あたりのエネルギー:E = h v ( h :プランク定数、v :振動数)
 光電子放出:光を金属に当てた時、金属から放出される電子のエネルギーEe
  Ee = h v -φ (φ:金属の仕事関数)

=== 第4回 H20.4.28 ===

 コンプトン効果 Compton effect
 X線を物質に照射すると、一部は透過・吸収し、残りは散乱する。
  ・トムソン散乱(Thomson Scattering):同じ波長の電磁波が放射される。
  ・コンプトン散乱(Compton Scattering):照射X線より長い波長のX線が放射される。
 コンプトン散乱
コンプトン散乱

運動量
ここで電子の質量m 電子
保存則
以上の式から入射光と散乱光の波長の差Δλ = λ1 - λ0波長差 となる。

=== 第5回 H20.5.12 ===

 光の放射
・熱放射(thermal radiation):熱を電磁波として放射する現象

・ルミネセンス(luminescence):
   外部エネルギーを吸収して励起状態となり、基底状態に戻る時に発光する現象

・高速運動する荷電粒子からの放射
  ○制動輻射(bremsstrahlung):
     荷電粒子が加速(減速)される時に放射される電磁波

  ○シンクロトロン輻射(synchrotron radiation):
     荷電粒子を磁場によって円運動させた時放射される電磁波

  ○チェレンコフ輻射(Cherenkov radiation):
     物質中の光速よりも速い速度で荷電粒子が運動した時に放射される電磁波

 黒体(Blackbody)放射
黒体の放射スペクトル: ・ Rayleigh Jeans Law of Radiation(レイリー・ジーンズの公式)
レイリージーンズ長波長側で実験結果と一致
・ Wien's displacement law(ウィーンの変位則)
ウィーン短波長側で実験結果と一致
・ Planck(プランクの公式)
プランク上記の両公式をつなぐ公式

=== 第6回 H20.5.19 ===

 光の吸収
 半導体での光の吸収
・ 内殻電子による光吸収: 基底準位からの電子の遷移
・ 基礎吸収(固有吸収): 価電子帯から伝導帯への電子の遷移
・ 不純物励起: 不純物準位を介しての電子の遷移
・ 励起子: 励起子準位への電子の励起(正孔と対になって移動)


 2章 半導体の基礎
2.1 半導体とは
・電気伝導による分類:導体、半導体、絶縁体
・Ⅳ族元素半導体:Si(シリコン)、Ge(ゲルマニウム)
・特徴:
 ①抵抗率 ρ:10-5~105Ωm
 ②温度依存: ρ = ρ0 exp( β / T )
   ρ0 :0℃での抵抗率、T :温度、β :定数
 ③不純物添加(ドーピング):電気伝導(抵抗率を制御)
 ④熱や光、電気など外的刺激に敏感:センサ等に利用

2.2 Siの結晶と電気伝導
2.2.1 共有結合

=== 第7回 H20.51.26 ===

2.2.2 自由電子と正孔
2.2.3 エネルギー帯
2.2.4 真性半導体
2.2.5 不純物半導体
2.2.6 半導体を流れる電流
半導体の電気伝導(本科講義の復習)  [pdf]

=== 第8回 H20.6.2 ===

2.3 pn接合ダイオード
2.3.1 pn接合
2.3.2 ダイオード特性


 3章 発光デバイス
3.1 ルミネセンス
3.1.1 ルミネセンスの種類
(1)フォトルミネセンス:光、紫外線、X線等で励起
 ・ストークスシフト:励起光より波長の長い光を放出
 ex) 蛍光灯

(2)カソードルミネセンス:電子線励起
 ex) CRT(ブラウン管)

=== 第9回 H20.6.9 ===

(3)ガス放電による励起
 ex) ガスレーザ、プラズマディスプレイ

(4)真性エレクトロルミネセンス(固有電界励起):電界による励起
 ex) 無機EL、有機EL

(5)注入型エレクトロルミネセンス:キャリア注入による励起
 ex) LED、半導体レーザ(LD)

(6)シンチレーション:放射線による励起

(7)化学ルミネセンス:化学反応、分子間エネルギー遷移による励起

(8)生物発光:生物が行う化学反応

発光寿命による分類
・蛍光(fluorescence):発光寿命が短いもの
・燐光(phosphorenscence):発光寿命が長いもの

3.1.2 半導体の発光機構
励起状態から電子・正孔の再結合によって発光する。
・放射再結合:フォトンを放出する(発光する)
・非放射再結合:フォノンを放射する(発光しない)

(1)バンド間遷移(教科書p.33図3.4)
 a)直接遷移型(価電子帯頂上と伝導帯の底のk値が同じ。発光確率大きい):GaAs, AlSb, InSb, ZnO
 b)間接遷移型(価電子帯頂上と伝導帯の底のk値が異なる。発光確率小さい):Si, Ge, GaP
間接遷移
(2)不純物準位による遷移
(3)励起子(エキシトン)による遷移

=== 第10回 H20.6.16 ===

3.2 発光ダイオード
3.2.1 発光の仕組み
LED:Light Emitting Diode
 pn接合を利用。順バイアスを印加することで、それぞれの領域に少数キャリアを注入して、キャリア(電子と正孔)が再結合することによって発光する。
GaAs(直接遷移型):Eg=1.43eV(発光波長910nm)
GaP(間接遷移型):Eg=2.26eV → 発光効率低い
GaAsP(混晶):混晶の割合によりEgを制御

3.2.2 等電子(アイソエレクトロニック)トラップの形成による発光効率の改善
 電子を引きつけやすい窒素NをGaPに添加することで、電子をN原子に補足させ、電子の存在位置を(おおよそ)確定させる。 ハイゼンベルグの不確定性原理により、位置が確定されると運動量p(すなわち波数k)が不確定になるので、波数はどんなk値でももてるようになる。 このように考えると、間接遷移型のGaPでも、直接遷移型と同じように再結合が行われる(発光効率が大きくなる)。 アイソエレクトロニック

3.2.3 ダブルヘテロ接合による発光効率の改善
ヘテロ接合:Egが異なる(小さな)材料を間に挟んだpn接合
発光層にキャリアを閉じ込めることによって再結合の確率を大きくして発光効率を上げる。 ヘテロ構造

3.2.4 発光ダイオードの構造
LEDの構造と応用  [pdf]

=== 第11回 H20.6.23 ===

3.3 レーザ
LASER:Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation
誘導放出による光の増幅作用

3.3.1 半導体レーザ
・誘導放出:入射光と同波長、同位相の光を放出 → レーザ放出
・反転分布(population inversion)
・反転分布状態(発振条件)にするためにレーザ媒質にエネルギーを与えることをポンピング(pumping)という。
半導体レーザ:注入電流によるポンピング
固体レーザ:強い光の照射によるポンピング
気体レーザ:放電によるポンピング

ダブルヘテロ構造:活性層に、キャリアと光の閉じ込め効果

3.3.2 固体レーザ
3.3.3 気体レーザ
レーザ  [pdf]

=== 第12回 H20.6.30 ===

 4章 光センサ
4.1.1 可視光
・380nm~780nm(紫・藍・青・緑・黄・橙・赤)
・人間の視感度:一番感度の良い555nm(緑)の感度を1とした値(比視感度)

4.1.2 赤外線
・0.8μm~1000μm
・近赤外(光学的、光通信)、中赤外(熱)、遠赤外(リモートセンシング、THz波、サブミリ波)

4.2 可視光の測定
4.3 赤外線の測定
光測定  [pdf]

=== 第13回 H20.7.7 ===

4.4 可視光センサ
4.4.1 光電子変換器
4.4.2 半導体光センサ
センサ  [pdf]

=== 第14回 H20.7.14 ===

4.5 赤外線センサ
4.5.2 熱型センサ


 5章 表示デバイス
電子ディスプレイの分類

5.1 ブラウン管
 1897年 ブラウン(オーストリア)発明
 1927年 高柳健次郎、ブラウン管で受像
 1953年 シャープ、白黒テレビ発売(国産1号)

5.2 プラズマディスプレイパネル PDP
 PDP:放電現象を利用したディスプレイの総称
 1964年 アメリカで発明。1966年イリノイ大(AC型)、1968年フィリップス社(オランダ)(DC型)
 1993年 富士通、21型カラーPDP
 1997年 富士通ゼネラル、42型プラズマテレビ

5.3 エレクトロルミネセンス EL
・無機EL(真性エレクトロルミネセンス)
・有機EL(注入型エレクトロルミネセンス)

5.4 液晶表示素子
 1888年 ライニッツァ(オーストリア)発見
 1973年 シャープ、電卓に採用
・液晶相:流動性(液体と同じ)と分子配列の規則性(固体と同じ)を併せ持つ中間相
・温度転移型:ある一定温度範囲で液晶性を示す
・濃度転移型:ある濃度範囲で液晶性を示す
・分子配列による分類:ネマティック液晶、スメクティック液晶、コレステリック液晶
ディスプレイ  [pdf]

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