本特別実験におけるロボット製作は平成11年度後期からスタートした。平成11年度は、CPUを用いずにロジックとリレー制御を基本にライントレースロボットの製作を課題として与え,平成12年度からはPICを用いたライントレースロボットの製作を行った.平成13年度以降は無線によるサッカーロボット,平成18年度以降は赤外線通信によるサッカーロボットの設計と競技会を行っている.自律型移動ロボットの設計製作を通して、
- メカトロニクス技術の基礎
- 独創性,創造性および問題解決能力の養成
- グループ作業による協調性,責任感
などの習得を目的としている。また、製作意欲を高める意味で, 製作したロボットによる競技会を行っている。以下に実施内容を簡単に紹介する。
2.実施内容
- スタッフ : 教員1名,技術職員 1名
- 学生人数 : 生産システム専攻科1年生 10名位
- 班構成 : 5班(各班2名)
- 日 程 :
- 10月
- 各自がネットなどによりロボットの情報を収集する.メカトロニクスの基礎を修得する目的で,電子回路,アクチュエータ,センサなどのハードフェアの基礎事項について講義ならびに演習を行う.
メカ部の設計製図,電子回路の設計,中間報告会
- 11月 〜 2月
- 製作期間
- 2月末
- コース設備
競技課題に対して各班ごとにロボットを設計製作し,競技会を行う.
レポートの作成
- 設備,教材 :
- 各班あたり
- 工具一式,田宮ツインモータ,リレー,IC,受信モジュール
赤外発光ダイオード,基盤,リード線,アルミ部材,樹脂,
直流安定化電源など
- 共通
- 関数発生器, テスター,オシロスコープなど
3.ロボット競技
競技内容は年毎に違います.
3.1ライントレースロボット競技会
コース2を使用し,タイムトライアルを行う.ルールは下記の通りである.
コース2を1周させ,そのとき要したタイムを競うものである.ただし,計測は手元のストップウオッチにて行う.
周回中,ロボットがラインからコースアウトした場合は失格となる.
3回行い,そのうちのベストタイムを公式記録とする.
3.2サッカーロボット競技会
(1)各チーム2台なので,ゴールエリアに自陣のマシーンが同時に2台いることは許されない.
(2)特にオフサイドなど厳密なサッカールールには従わない.ただし,ゴールが小さいので,ロボットのサイズを規定する(W0.12 m×L0.15m×H0.12m).また,自陣のゴールエリアには自陣のキーパー(ゲーム前に予め決める)以外,入れない.
(3)こうちゃく状態になった場合は,モータに過電流が流れるので審判の判断でブレイクし,それぞれ0.3m離して試合を続行させる.
(4)タッチライン,ゴールラインを割った場合は,相手ボールとなる(その場所から).
(5)試合時間は2分ハーフでインターバル1分.
(6)故障や転倒でマシントラブルを起こした場合は一度,場外で修理調整し,復帰するときは,タッチラインのセンターから入場すること.
(7)同点の場合,3分の延長戦を行う.それでも尚,勝敗が着かない場合はPK.なお,PKはセンタラインから相手のゴールに直接シュートおよびドリブルでも構わないが,早くシュートした方を勝ちとする.
(8)順位は,勝ち点(勝ち3点,引き分け1点,負け0点),得失点,得点で決める.
(9)試合中のバッテリー交換は供試バッテリーの範囲以内(2組).
4.競技会の様子